タキソール (Paclitaxel)

タキソール(一般名Paclitaxel)

対象  術後補助療法、リンパ節転移陽性例で考慮 多剤併用療法のなかで(AC-T)

    再発進行乳癌治療 単剤投与

作用機序 

タキソールはイチイ科の植物の針葉又は小枝からの抽出物を原料として半合成された抗腫瘍剤です。タキソールは微小管蛋白重合を促進することにより微小管の安定化、過剰形成を引き起こし、微小管の脱重合を起こりにくくし、その結果がん細胞分裂を阻害して抗腫瘍活性を発揮します。

副作用

タキソールには重大な副作用があります

1過敏反応 

2好中球減少

3末梢神経障害

タキソ-ルの副作用1 過敏反応について

タキソ-ルは単独で用いた場合、乳癌に対してアドリアマイシンと並んで最も効果のある薬剤です(奏効率40ー50%)。しかしながら液体に溶けにくく、製品化に20年以上の歳月がかかりました。 (日本では99年認可)。溶媒にポリオキシエチレンひまし油が用いられており、これによりまれにアナフィラキシ-ショックが引き起こされます。このためタキソ-ル専用の特殊な点滴ライン(インラインフィルタ-付き)が必要になります。 タキソ-ル投与中に過敏反応(アナフィラキシ-ショック)による死亡例が臨床試験段階で1300例中1例海外で報告されています。このためデカドロン(ステロイドホルモン)、ザンタック(ヒスタミンH2拮抗剤)、レスタミン(ヒスタミンH1拮抗剤)の前投与による過敏反応の予防、タキソ-ル専用の特殊な点滴ライン(インラインフィルタ-付き)の使用、心電図/血圧モニタ-による過敏反応の早期発見(万一の時は、タキソ-ルの即時中止とボスミンの皮下注射/気道確保等)につとめます。このような過敏反応は通常1−2回目の投与の最初の10分間で起こる場合が大半です。当科ではこれまでこのようなエピソ-ドはまだありません。また溶媒にアルコールが含まれているため、お酒に弱い方は、少し酔ったような症状が現われます。

タキソ-ルの副作用2 白血球数(顆粒球)の減少

投与1週〜2週後には1000−1500程度に減少し、2週後以降に回復するのが平均的な経過です。白血球数が減少することにより、時に39度前後の熱(febrile neutropenia)が出ることがあります。喉が痛くなり、高熱が出た場合はすぐに病院を受診するか、外来または9F病棟を介して担当医まで連絡してください。重篤な敗血症への進行を予防するために適切な対応を行います。(抗生物質の投与を連日行ないます)

タキソ-ルの副作用3 神経障害、その他

末梢神経炎(頻度は比較的高く、症状は投与量に比例);手足の指先のしびれが主な症状です。通常の投与量では比較的軽症で、多くの場合投与中止後数ヵ月で回復します。また関節痛(脚、腰の痛み、膝のふるえ感)が投与2−3日後に出現します。何か気になる点が出てきた場合、担当医にお話ください。 脱毛;2〜3サイクルを終了するまでにはほぼ完全に脱毛します。治療終了後には必ず回復します。

             175mg/m2を3週毎に点滴投与するのが標準的ですが、再発の場合毎週100mg/m2投与(weekly法)の安全性と有効性が評価されてきており、このような方法を用いることもあります。          

主要論文. N Engl J Med 1996;334:1,30 Drugs 1994;48:794 Lancet 1994;344:1267




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